【問題】
ピザ発祥といえば、イタリア
ピザ発祥といえばイタリアと言われていますが、今やピザは世界中で食べられる料理になっています。
例えば、アメリカのピザ消費量は金額で年間3兆5千万円。
対して、日本は2億6千万円。日本のピザの価格はアメリカのおよそ2倍と言われていますので、国民食になりつつあるピザでも日本人が1年間に消費する量はアメリカのおよそ28分の1になのです。
世界一冷凍ピザを食べている国は??
一方、冷凍ピザの消費量一位の国はどこだと思いますか??
答えは、ノルウェー
答えは、ノルウェー。
消費税が高い北欧では外食をするということは、日本のファミレスレベルでも高級レストラン並みの料金を取られてしまいます。
冷凍ピザなら家庭で気軽に食べられるため、ノルウェーでは冷凍のピザが大人気です。
ノルウェーはピザ好きな人が多く、冷凍ピザの消費量はアメリカ、イタリアを抜いて世界一です。
ノルウェーはもともとパンとチーズを組み合わせて食べる習慣があったため、ピザを受け入れやすくアメリカタイプの分厚いシカゴピザが人気です。
今では中華レストランでも、インド料理のお店でもピザが置いてあるということです。
特に人気が高いものが冷凍ピザで、家庭ではすでにおふくろの味とさえ言われています。
ノルウェー人にとって冷凍のピザは、国民が誇るノルウェー最高B級グルメなのです。
冷蔵庫には必ずといっていいほど冷凍ピザが3枚以上入っています。
ピザはあるものとして使われていた
さて、前置きが長くなりましたが、そんなピザですが、実はそもそも今の形ではなく、あるものとして使われていました。
ではそのあるものとは何でしょう?
【答え】
お皿
【解説】
【解説】
ピザはそもそもお皿代わりとして作られていた
ピザはそもそもお皿代わりとして作られていました。
紀元1世紀頃のローマの美食家、マルクス・ガビウス・アピキウスが当時の料理書を遺していますが、その中でpizzaesqueと言う料理について触れています。
パンをベースにチキンやチーズ、ガーリック、ペッパー、オイル、ミントなどをトッピングしたもの。
また、有名なポンペイの遺跡からは、こうしたピザに似た料理を作っていたと思しき器具が出土しています。
ピザの上に具材を置いて焼く、焼きあがったピザの上におかずを置いて食べる。
というような食べ方で、庶民の食べ物だったのです。
考古学者によると、今日のイタリアがある地域で、石器時代からピザの元祖らしき料理が出土していた事は確かなようです。
当時のピザは焼いた石のプレートの上でパンの生地を焼き、それに折々の季節のトッピングをしていたとの事ですから、形としては今のピザに近いと言えましょう。
その後、よりソフトな生地にバジル、ラード、コショウをトッピングしたもの、小魚をトッピングしたものという2つのタイプが登場しました。
これを「最古のピザ」とする説もあります。
現在のピザの形になったのはいつから??
16世紀頃、アンデスにあるトマトがスペイン人に発見されてからになります。
「ピザの真実」というサイトによると、最初に載せたのは1522年。
コロンブスの発見が1492年ですから、その30年後。
最初はナポリ。当時イタリア有数の港だった事もあり、またたく間に欧州全域に広まっていきました。
当時のイタリア人は、鮮烈な赤色の物体を見て、トマトに毒が入っているのではないかと思われていたそうです。
この時はトマトとラード、チーズとハーブという4品目が基本でした。
その後、17世紀頃からナポリ料理の定番となり、18世紀に入ると、歴史上のキーパーソンがピザを広めるきっかけを作ります。
王様夫人がピザを広めた!?
イタリア統一を果たしたヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の奥様
マリーア・アデライデ・ダズブルゴ=ロレーナ夫人がピザにはまり…
わざわざ専用のオーブンを作らせたほどでした。
既にナポリだけの郷土料理だけでは無くなり、身分の高い人にも広まっていた事がうかがえます。
国王が好きなくらいですから、下々の間ではもっと人気。
ナポリでは朝昼晩の食事にピザが登場していたそうです。
アメリカに上陸したのはいつ??
こうしたピザがアメリカに上陸したのは20世紀初頭。
最初はシカゴでした。
街のテイラー通りでの行商人が広めたのがきっかけ。
回転式のドラムに保存して、ホッカホッカさを保ち提供していました。
その後、1905年にニューヨークで最初の焼きピザのライセンスが下ります。
マンハッタンのイタリア系移民の街、リトル・イタリーで初のピッツェリア、ロンバルディズが開店しました。
https://ny.eater.com/2018/7/24/17608184/lombardis-chelsea-nyc-location-open
しかし当初はイタリア人に限られた食べ物だったといわれています。
アメリカ人の人気メニューになったのは、第二次世界大戦以降のようで、アフリカ軍団を駆逐後、連合軍がシシリー島からイタリア本土に侵攻。
イタリアに駐留していた兵士が現地で食べて広まったともいわれています。
コネチカットなど東海岸でジワジワと広まっていったものの、爆発的な流行は第二次世界大戦後まで待たねばなりませんでした。
誰が広めたの??
イタリア系の著名人(マリリン・モンローと結婚したジョー・ディマジオ)
らがプロモーションしたのも、拍車をかけたようですね。
その後世界中に広まっていったのでした。
日本のピザは東京オリンピック以降
日本で初めてのピザはというと、諸説ありますが、有力説は、神戸のイタリアンレストランで1944年に提供されたとするものです。
戦後間もなく宝塚市にオープンしたイタリアンレストラン、アベーラとする説もあります。
初のピッツェリアは、1954年に六本木に開店したニコラスとされています。
同店は昭和30年代に最先端のおしゃれな店として、流行に敏感な若者たちの人気を集めました。
ニコラスなど有名店はあっても、当時はほんの限られた人たちだけが知っていたピザ。
1960年代には「西洋風お好み焼き」なんて表現も登場。
オーブンもオーブントースターも一般家庭に普及していない時代は家庭用よりむしろ業務用で普及していきました。
流れが変わったのは1970年代のファミリーレストランチェーンの登場から。
アメリカ風のメニューとして、ロイヤルホストをはじめ各チェーンの人気メニューとなりました。
外食で人気が出ると同時に、冷凍食品のピザやピザトーストなども家庭で親しまれるメニューになってきました。
そして、日本初の宅配ピザが1985年に誕生、大きなサイズのピザを家庭で身近に楽しめるようになったのです。