【問題】
卒業を終え、4月の新入学のシーズン。
かつての人気ナンバー1だった係といえば飼育係。
実に日本の80%の学校で小動物が飼われていますが、飼育されている動物を見てみますと・・・
主にウサギとニワトリが多いと思いませんか。
小学校で一番飼われているのがウサギになり、その理由として以下のようなものがあります。
- 比較的安価
- 子どもに大きな怪我を負わせる心配がない
- 鳴かない
- 繁殖力が高く、簡易的に増やせるため
文部科学省もウサギを飼うことを奨励しているのですが、実はそもそも、これとは別のある理由でウサギが奨励されていたのですが、
では、ではその理由とは何だったのでしょう?
【答え】
【答え】
食用としていたから
【解説】
話を少し遡ります。
日本でうさぎが飼われたのはいつから??
日本には一六世紀にオランダ人が飼いウサギをたらしたといわれています。
江戸時代の絵画や文献にも登場するのがこの頃からです。
その後、近世史の緩やかな流れのなかで都市文化に溶け込みました。
そして、文明開化の明治初期に東京や大阪を中心に一大飼育ブームが巻き起りました。
さらに、明治期にニュージーランド・ホワイト種を改良して白い体毛・赤い目をもつ日本白色種がつくられました。
なぜ大量にウサギを繁殖させた??
日清戦争、日露戦争を経て太平洋戦争まで軍事用のコートや帽子、
缶詰などをつくるため、大量にウサギが用いられました。
また小学校や農家で飼育が奨励され、一九四〇年代には一二〇万羽が飼育。
うさぎ飼育頭数が世界一になったともいわれています。
ちなみに、教育にも活用されているウサギ!
近年では、より幼い頃から情操教育に早く取り組んだ方が良いと、子供をもつ親御さんの間で注目を集めています。
なぜなら、情操教育とは動物や植物を育てて愛情を抱いたり、自然に触れて季節を感じたり、多くの体験から色んな表現方法を知り、知的好奇心から自分で考えて行動し表現できるようになるため、小さな子どもの頃にとても大切な教育だと言われているからです。
端的に言えば“たくさんのものに触れることで、心を豊かにする教育”であると言えます。
馬の情操教育にも利用されている⁉
馬と一緒にうさぎを馬房に入れることで、馬はうさぎを踏まないように考えて動き、小さなうさぎを大切にしながら、馬房での共同生活をする能力を身につけることができるそうです。これは馬の気性を矯正したり、協調性を養ったりすることにつながります。
小学校の飼育小屋では、みんなで協力して時間をかけてウサギを育てることにより、責任感や協調性、思いやる気持ち、「誕生-成長-繁殖-病気-死」という命の営みなどを学ぶことができます。
このことからも飼育小屋のウサギは、子供の情操教育に適した小動物ということが、資料や学校での取り組みで見えてきます。