【問題】
日本全国の公園でお馴染みのタコの滑り台。
「タコの山」と言われるもので、タコを模した形状のコンクリート製(人造石研ぎ出し仕上げ)のすべり台です。
「タコ山」「タコ滑り台」「タコスライダー」などと呼ばれ、全国各地、さらに世界にまでも存在しているのです。

コペンハーゲンにあるSuperkilenには、世界各国のベンチや遊具などが集められています。
その中に、日本代表として設置されているのがなんとタコ遊具。
黒くスタイリッシュにアレンジされつつも、現地の子どもたちに大人気の遊び場となっていました。
実はこれ、元々タコではなく、あるものをイメージして作られたアート作品でした。
それに頭をつけて親しみやすいタコにしたのですが、
では、そのあるものとは何だったのでしょう?
【答え】
首都高
【解説】
前田屋外美術株式会社が開発、1960年代後半から日本全国の公園に設置した遊具。
当時同社のデザイナーであった人物の回想によれば、もともとこの遊具は「石の山」という名称で、曲線の組み合わせで、首都高をイメージし、何の形とも判然としない形状の滑り台であったという。
彫刻科出身の若いデザイナーが児童の想像力をかき立てようと、あえて不可解な形状にデザインした結果であったが、売り込み先の一つであった足立区役所の幹部には理解されず、何の形かわからないから、せめて頭を付けてタコの形にするように言われてしまう。
しかしこうして出来た「タコの山」第一号が区内の新西新井公園(1965年建設)に設置されると人気を得、ほかの公園にも次々に設置されるようになっていった。
ちなみに、
日本で一番タコ山公園が多い自治体はというと・・・
北九州市。
北九州市内に巨大タコの滑り台がある公園が11カ所もある。
中でも2010年に設置された「和布刈公園」(門司区門司)にあるものは「製作に約4,000万円の費用がかかった国内でも最大級のもの」(市建設局職員)で、高さ約6メートル、最大幅約20メートルあり、少し離れた場所に足先を模した水飲み場も備える。
関門海峡を望む絶好のロケーションということもあり、休日になると親子連れが多く訪れ遊んでいる。