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終身刑と無期懲役の違いは?? 無期懲役とはいったい何年なの? 

死刑を免れて無期懲役!!
なんてニュースを目にすることがあり、「無期懲役」の言葉通り解釈すると、無期だから、死ぬまで??かなとも思いますし、また都市伝説として、いい子にしていたら10年で出られる。
いや、いい子にしてても、今は40年以上はかかるんだよ。という憶測がだらけなのですが、一言でいうと、無期は無期のため、収監期間が定められておらず、一般人には理解し辛いです。

不公平感が強い無期懲役

無期懲役は刑務所の中の刑期が定まっておらず、また時代によって出所までの期間が違い、個人差も大きいため不公平感が強いのです。
そのため、犯罪被害に遭った家族からは「すぐに出所している」という批判も少なくありません。

また例えば、2015年6月12日、千葉県柏市の連続通り魔の竹井聖寿被告に、千葉地裁が無期懲役の判決を下しましたが、判決文を裁判官が読んだ後、被告は勝ち誇ったように指を立て「また出所して犯行ができる」とつぶやいていたのです。

「無期懲役」は終わりの無い終身刑という意味で、本来の意味では一生刑務所から出られない事になっています。
しかし、刑法では服役後10年が経過した受刑者は、仮出所して刑務所から出られる制度が存在しています。

いわゆる終身刑の抜け道であり、これが様々な誤解や不満、受刑者にとっては唯一の希望の根拠になっています。

そのため、無期懲役の期間中に、刑務所から仮釈放として出られることがあり、普通の生活ができます。
もちろん仮釈放のため、社会で生活していても一生仮釈放です。

仮釈放中は政府が受刑者を監察する事になっているため、保護観察処分。
保護観察とは旅行や移動、就職などに制限があるものの、基本的には自由であり、月に1度または数回の面談があるもの。
もちろん保護観察中に違反した場合には仮釈放が取り消され、残りの人生を再び刑務所内で過ごすことになります。

では、なぜ終身刑がないのか。

アメリカなどで言い渡される終身刑がありますが、実はこれも、仮釈放がついており、本当の終身刑はごく一部の国と、わずかなアメリカの州だけなのです。

そのため、無期懲役と終身刑は言葉は違えども、おおよその内容は同じなのでした。

1980年代まで仮釈放は10数年が定説

無期懲役で刑が終了する例外があり、未成年者が無期懲役を受け、10年以上仮釈放を過ごすと無期懲役でも刑期が満了します。
未成年者は例外を除いて極刑が無いので、言い換えると極刑に相当する罪を犯しても、犯行当時未成年者ならいつか刑期が終わります。
問題はこの仮釈放になるのが収監の何年後なのかという事であり、事実上の刑期という事になる。

1980年代までは無期懲役でも10数年で仮釈放される事が多かったと言われています。
当時はテレビの事件報道がそれほど活発ではなく、詳細な報道は新聞だけであり、被害者の家族に犯人の状況を知らせる事も無かったため、世間は騒がなかったようです。

刑期が短すぎる問題が明るみになり、それに伴った抗議活動が盛んになる1990年代に入ると、仮釈放までの期間が長くなっていき、2000年代になると、少なくても20年以上となったのです。

その後、2010年から、仮釈放が認められるのは、平均して収監30年以上を経過した受刑者になっています。

30年になったもう一つの理由

刑法には懲役30年の有期刑が存在します。
90年代までは、無期懲役の判決を受けた者が、懲役20年の判決を受けたものより、早く出所するようなバカな制度が存在しており、被告人にとって、無期懲役の方がラッキーだったのです。

現在、無期懲役の受刑者の平均収監年数は31年。
政府としては無期懲役者をいつかは釈放するという方針のため、30年以上大幅に期間が長くなる事は無いと思われます。

出所後は一生生活保護で監察下に

無期懲役仮釈放の保護観察は3号観察と呼ばれ、月に2回保護司の所に行かなければいけません。
住所がある事、定職に付く事、勝手に引っ越さない、7日以上の旅行には届出が必要など、遵守事項があります。

が、ここで問題になるのが「住所があり定職に付く事」。
30年以上刑務所に入っていた人に、定職などあるはずがなく収入を維持するのは至難の業です。

ですが、仮釈放中であっても生活保護の申請が認められています。
住所がなければ釈放は不可能なので、刑務所を出所して一時滞在する施設があり、そこで生活保護の申請をし、恐らく一生、生活保護で暮らすことになるのです。

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